2段階焼きが素材の甘みを引き出す サツマイモ専用のロースター提案 新潟・アーネスト


 オーブンに蒸し器、トースター、さらには炊飯器…。家庭で焼き芋を調理する手段はさまざまあるが、日用品などの企画販売を手掛けるアーネスト(新潟県三条市)は、焼き芋に特化した専用ロースター「yakiimo baker UMAIIMO(焼き芋ベイカー ウマイーモ)」で注目を集めている。

焼き芋に特化した専用ロースター「UMAIIMO(ウマイーモ)」

 甘い焼き芋を作るには、熱の入れ方が大きく結果を左右するといわれる。具体的には、加熱によって糊状になったでん粉に、「β-アミラーゼ」と呼ばれるでん粉を糖に変える酵素が作用することによって、麦芽糖がつくられて甘みが増すーとされている。しかし、熱の温度や焼き時間などを調整するのは簡単ではない。

 同社のロースターでは、そうした悩みに応える仕組みとして、2段階焼きの仕組みを採用。第1段階では、低温の70℃で安定して加熱する。そうすることで「β-アミラーゼ」の働きで甘さを引き出す。第2段階では、甘さが引き出されたサツマイモを200℃の高温で一気に過熱して、芯までしっかりと焼き上げる。これらの段階を踏むことで、「さつまいもの素材本来の甘みと香りを最大限に引き出せる」(同社)という。

2段階焼きのイメージ

 焼き上げる仕組みとしては、高速空気循環技術といわれる最高で200℃にもなる熱風を本体内部で上下に高速で循環させる。揚げ物などを温めるのに人気で、ノンフライヤーなどと呼ばれる調理家電で多く採用されている技術でもあるが、この技術を焼き芋調理に特化した点が同社のロースターのユニークな点ともいえる。

 操作性も簡便さを意識したつくりで工夫する。本体下部のバスケットに、水洗いしたサツマイモを投入後は、イモの大きさに合わせてモードを選ぶことでセットは完了。2段階焼きは自動で行われるため、焼き上がりを待つだけでよい仕組みとなっている。基本的には自動調理だが、10分単位で追加加熱を行えるボタンもあり、イモの種類や実際の焼き上がりの様子を見ながら調整することも可能だ。


操作性も簡便さを意識したつくりで工夫する

 同社のロースターは、焼き上げの温度管理が難しい焼き芋を自宅で簡単に食べてもらいたい、と昨年、クラウドファンディングサービスを介して誕生。昨年11月30日に発売した。ただ、コロナ禍で部品供給が追い付かない事態にも直面したことから、今年は供給体制を整えて提案しているという。


クラウドファンディングサービスを介し、昨年発売にこぎつけた

 ロースターの大きさは、幅20.5×奥行27×高さ31.5 cm。メーカー希望小売価格は税抜き1万5千円。大手家電量販店のオンラインショップや通販サイトなどで購入できる。

 同社は、「焼き芋は『サツマイモをただ焼くだけ』という、シンプルな調理方法ながら、実はとても奥が深い。私たちはそこにこだわり、家庭でも美味しい焼き芋が食べられる専用のロースターを開発した」と説明。「色々なサツマイモが出回るこれからの季節、ご自宅で美味しい焼きいもを楽しんでいただければ」としている。

 家庭の台所にオーブンを置くための充分なスペースがなかったり、お年寄りなど温度設定を難しく感じたりする人に向けてのプレゼントでも喜ばれそうだ。【さつまいもニュースONLINE編集部】