編集部では3日午後、品川やきいもテラスの会場を訪れました。
会場内の様子=3日午後、東京都港区
会場入り口のすぐそばに出店していた「よっしーのお芋屋さん。」で、聞きなじみのない品種を見つけました。かぼちゃ芋です。食べ物の名前に別の食べ物の名前が付くという不思議なネーミングです。ぜひ味わいたくなり、列に並ぶことにしました。
品川の湾岸エリアにある会場では寒風がそよぐ様子でしたが、「よっしーさん」の熱のこもったイモの解説に寒さを忘れて聞き入ってしまいました。
その解説によると、同店のかぼちゃ芋は、全国でもごく限られた地域で生産されており、石川県産とのこと。さらに、同店で扱うかぼちゃ芋の調達先の生産者も、同店など限られた仕向け先にしか出荷していないそう。希少さが伝わってくるとともに、どんな味なんだろうと期待が高まります。
列に並んでようやく、かぼちゃ芋を購入。芋を割ると、きれいなオレンジ色が――。
かぼちゃ芋
現地で早速、試食。食べ進めると、上品な甘みとうまみが口の中に広がっていきました。
昨今の焼き芋ブームでは、蜜があふれるような強い甘さを持つイモが注目されがちです。
そうした中、かぼちゃ芋はものすごく甘いという訳ではないのですが、ほどよい食味で、どんどん食べ進められる。かすかに感じられた酸味も、上品な味わいを際立たせています。ベージュのような色をした皮は本当に香ばしく、歯ごたえもあり、食べがいがありました。
食感はねっとりとほくほくの間の中道といった印象を持ちました。
■未知の品種にかき立てられる探求心
焼き芋は品種ごとに、味や香り、食感でまったく異なった特徴をみせ、食べる人を楽しませてくれます。食べたことのない品種に出会い、期待しながらかぶりつく瞬間は焼き芋好きの醍醐味といえると思います。
かぼちゃ芋はそんな探求心をかき立て、その魅力といえる上品な甘みとうまみで強いインパクトを残しました。
同店では、千葉県の「さつまいもの石田農園」が紅はるかからオリジナルブランド化した「金蜜芋」の焼き芋も販売。こちらは、イモの皮がしっとりするほどの蜜で、甘みと香りが絶妙のバランス。決して、香りが甘みに負けておらず、最後の一口までイモの香りを楽しみながら味わうことができました。
金蜜芋