農水省が発表した作物統計によると、2022年産のサツマイモの全国収穫量は、6年ぶりに増加に転じ、前年産比6%増の71万700トンだった。70万トン台に回復したのは、2019年以来。1千平方メートルあたりの収量も同6%増の2.2トンとなった。主産地6県の地域別では、鹿児島、茨城、千葉、宮崎、熊本ーの5県でいずれも増加し、徳島県が横ばいだった。【さつまいもニュースONLINE編集部】
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同省発表によると、収穫量などの回復は、天候に恵まれ、サツマイモの肥大が進んだのをはじめ、土壌伝染性の病害「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」が全国的に多くの農家を悩ませる中、主産地の鹿児島県や宮崎県を中心に抵抗性が高い品種への切り替えなどで被害の減少が奏功したとみられる。基腐病の病害対策を巡っては、国や地方自治体も予算化し、官民連携で対策を進めてきた経緯がある。
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■収穫量、主産地5県で増加に
主産地6県のうち、収穫量が増加した5県は、鹿児島県が前年産比10%増の21万トン、茨城県が3%増の19.4万トン、千葉県が2%増の8.8万トン、宮崎県が10%増の7.7万トン、熊本県が6%増の1.9万トンだった。徳島県は横ばいの2.7万トン。
1千平方メートルあたりの収量では、茨城県が1%減の2.5トンだったものの、鹿児島県が14%増の2.1トン、宮崎県が8%増の2.5トン、千葉県が7%増の2.4トン、熊本県が1%増の2.3トンと4県でいずれも増加。徳島県は横ばいの2.4トンだった。
全国の作付面積は、前年産並みの323平方キロメートルだった。