17日に東京・新宿で開幕した夏のさつまいも博。おイモのスイーツや冷やし芋がずらりと並ぶ会場で、おかず系のメニューも存在感を光らせている。おイモの新たな食べ方や味覚を提案したいと意欲的に開発されたメニューが数多く、その背景には、おイモの多様な魅力を伝えたいというそれぞれの思いが込められている。【さつまいもニュースONLINE編集部】
トリュフと干し芋が出会った新メニュー
素材との組み合わせで目を引いたのは、初出店となった「芋屋 蜜の月」の「薫るトリュフの干し芋バター」だ。夏のさつまいも博で初お目見えという限定の新メニューだ。
フレンチのシェフの監修を受けて開発したという同メニューは、紅はるかの干し芋を北海道産バターと絡めて炒め、仕上げにトリュフバターとピンクソルトをトッピングする。
あまじょっぱく仕上げた干し芋とトリュフの香ばしさのマリアージュが楽しめる。同社の倉田慎一代表は「サツマイモの人気がこれからも長く続いていくように、おイモの可能性を広げるようなメニューの開発に今後も取り組み続けていきたい」と熱っぽく語っていた。
多様な品種の魅力伝えたい
サツマイモ農家によるカフェ「OIMOcafe」では、「おいもの粒マスタードカレー」を提案している。サツマイモの自然な甘みと粒マスタードの酸味、さらにマスカルポーネチーズの組み合わせの妙が食欲をそそるメニューだ。
具材に甘みが強くホクホクとした食感の「むさしこがね」、トッピングのフライにはしっとりとした上品な食感の「むさし金時」を使用する。
同店代表でサツマイモ農家の武田浩太郎さんは「現在はねっとり系のサツマイモが人気だが、ホクホク系のサツマイモにもそれぞれ魅力があることを伝えたい。多様な品種のよさが広まれば」と話す。
武田さんは生産者として品質の高いおイモづくりを続けたいと熱っぽく語る一方、「サツマイモはスイーツのイメージが先行しがちだが、おかずの具材としてもおイモに光を当てて発信していきたい」とも力を込めた。
五郎島金時のおかず系ドーナツ
おイモのおかずメニューで、サツマイモとカレーを組み合わせるのは一つのトレンドになっているが、今回初出店の石川県の「おいもとレモネード」は、金沢市発の「五郎島金時」でほとんどつくったというドーナツ「ほぼいも」とカレースパイスを合わせた「スパイシーほぼいも」を販売する。
今回のさつまいも博の限定メニューでもあるという。
サクサクでもちっとした食感で、おイモの甘みとカレースパイスが効いたドーナツだ。カップ入りのサワークリームにディップして食べると味変もでき、トッピングのパクチーの存在でさっぱりと食べ進められる。間食としても、気軽に手をのばせるおイモ系アイテムだ。
ちなみにスイーツ版のほぼいもとして「ほぼいも(いもれもバター付)」もあり、こちらはサクサク、もちもちのドーナツに五郎島金時とレモンの自家製バターを合わせたペーストがつく。レモンの香りや酸味が感じられ、こちらも食欲をかき立てられるアイテムになっている。