農林水産省は31日、総額2兆7209億円に上る2024年度の予算概算要求を発表した。23年度当初比予算比で約20%増の規模。サツマイモ関連は、総額約133億円に上る「甘味資源作物生産支援対策」などが盛り込まれた。土壌伝染性の病害「サツマイモ基腐病」の対応などとして、収穫量が多く見込める新たな品種への転換や、省力化による生産性向上の取り組みを支援する事業の予算を求める。【さつまいもニュースONLINE編集部】
基腐病対応や生産性向上へ
サツマイモ関連では、「甘味資源作物生産支援対策」として23年度当初予算比22%増の133億3600万円を要求する。
同対策のうち、「甘味資源作物生産性向上事業」と題した事業に総額20億6600万円を計上。産地の持続可能な生産体制の構築を目指し、基腐病や病害虫への対応や、地域ぐるみで生産性を向上させるための取り組みを後押しするため、多収新品種への転換や農業機械の導入などを支援する。
また基金を通じ、病害虫対策にあたるための予算も盛り込んだ。当期作への対応は予防薬剤の散布、次期作への対応には、苗・苗床の消毒▽土壌消毒▽健全な種イモ・苗の導入▽他作物への作付け転換―などの取り組みを支援する。
交換耕作の導入・拡大の支援も
総額31億5100万円の「持続的畑作生産体系確立事業」では、サツマイモ基腐病などの病害抑制と、需要に応じた生産拡大の両立を後押ししていくため、交換耕作の導入・拡大などを支援する。
農水省によると、2024年度の予算概算要求は6月に決定された「食料・農業・農村政策の新たな展開方向」を踏まえ、「食料安全保障の強化」「環境対応」「人口減少への対応」の3本柱を中心に軸足を置いた。食料の安定供給の確保や農業の持続的な発展などの予算を盛り込んだ。