規格外のサツマイモを有効活用しようと、国内最大規模のサツマイモ専業食品会社「カルビーかいつかスイートポテト」(茨城県かすみがうら市)と、食品宅配大手の「オイシックス・ラ・大地」(東京都品川区)が初のタッグを組んだ。目をつけたのは、焼き芋が製造される過程で、熱をため込んで爆発してしまうなどしたおイモ。スイーツやサラダなど4点を開発し、爆発にちなんで「パンク焼き芋」シリーズと名付けた。両社は24日、都内で会見し、25日に販売をスタートさせる同シリーズを披露した。【さつまいもニュースONLINE編集部】
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「全量活用に道筋を―」
「SDGsの観点からも、サツマイモの全量活用を何とか考えないといけないと努めてまいりました。さらにその道筋をつけたい、と今回、相談をさせていただきました」
24日の会見で、オイシックスとの連携の経緯を熱っぽく語ったのは、カルビーかいつかスイートポテトの安藤國行社長だ。
同社は契約農家からサツマイモの全量買い付けを行っているが、農産物のため、当然、さまざまなサイズや形、見た目のものが混在する。
さらに焼き芋製造の現場では、焼成の工程で爆発してしまったり、皮がはがれたりしてしまうなどで「年間で8%ほどの規格外品が出ている」(安藤社長)という。
規格外の焼き芋「パンク焼き芋」
(オイシックス・ラ・ 大地PR事務局提供)
小型商品や加工品…利用を模索
規格外品でも味そのものには遜色がない。そのため、同社では、小型の焼き芋としての販売をはじめ、干し芋や大学芋といった加工品に使ったり、飼料や肥料としても利用を促したりして積極的な有効活用を模索してきた。
そうした取り組みをさらに充実させようと、連携をもちかけたのが、これまで捨てられていたものに付加価値をつける「アップサイクル」と呼ばれる取り組みを食品分野でリードするオイシックス・ラ・大地だった。
爆発にちなんで「パンク焼き芋」
規格外のサツマイモの有効活用をめぐり、今回、両社の連携で生まれたのが、焼成の工程で爆発したおイモにちなんだ「パンク焼き芋」シリーズの全4点。
うち2品は「Kit Oisix」と呼ばれる、必要な材料があらかじめ用意されたオイシックスの食材セットだ。
一つはフレンチトーストにパンク焼き芋をふんだんにトッピングした「パンク焼き芋の塩バターフレンチトースト」(税込み1566円)、もう一つがパンク焼き芋とグリルしたレンコンを合わせた惣菜サラダ「パンク焼き芋とれんこんのグリルサラダ」(同1393円)。
残る2品は、加工商品で「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋パン」(同408円)と「はじけちゃうおいしさ!パンク焼き芋バター」(同842円)。
前者はオイシックスのオリジナル配合のパン生地と、皮ごとパンク焼き芋をフィリングに使用した特製パンに仕上げた。後者は香料や甘味料を使わず、パンク焼き芋に有塩バターとハチミツと合わせ、素材の持ち味を生かした。
パンク焼き芋、気になる効果は?
両社の発表によると、今回のパンク焼き芋シリーズの4商品の取り組みを通じ、発売1カ月で約2トンの規格外焼き芋のフードロスの削減につなげられる見通しという。