2023年産のサツマイモの都道府県別収穫量のトップは鹿児島県だったことが、農水省の調査で分かった。近年、土壌伝染性の病害「サツマイモ基腐(もとぐされ)病」による収穫減が南九州勢を悩ませてきたが、同年産についても、歴代首位の鹿児島県がトップの地位を守ったかたちだ。【さつまいもニュースONLINE編集部】
23年産の全国収穫量は71万5800トンとなった。6年ぶりに増加に転じた22年産を1%上回り、2年連続の増加となった。
都道府県別は、首位の鹿児島県が21万5400トン(全国シェア30%)だったのに対し、2位が茨城県20万200トン(同28%)、3位が千葉県が9万1300トン(13%)と続いた。
「素直に喜べない」との声も
鹿児島県は首位をキープしたものの、近年、基腐病の影響で収穫量を落としてきており、茨城県との首位交代が一定程度、関係者の関心を集めてもいる。
茨城県内のある産地関係者は編集部の取材に対し、「鹿児島など南九州の苦境を考えると、関東勢のシェア伸長を素直に喜べない」と複雑な心境を漏らした。
ただ、主な出荷用途でみると、南九州勢が焼酎原料向けがメーンに対し、関東勢が青果出荷向けであることを踏まえ「引き続き青果出荷での存在感を高めていきたい」と建設的に語った。
気になるトップ10の都道府県は?
23年産の都道府県別収穫量の上位10位は以下の通り。
1位 鹿児島県=21万5400トン
2位 茨城県=20万200トン
3位 千葉県=9万1300
4位 宮崎県=6万8900トン
5位 徳島県=2万7100トン
6位 熊本県=1万8400トン
7位 大分県=9730トン
8位 静岡県=8220トン
9位 埼玉県=5770トン
10位 神奈川県=4800トン